金曜日, 4月 15, 2005

コンタックス消滅?

京セラがコンタックスの生産を本年末で終了することを正式に発表した。とうとう来てしまったかというべきなのだろうか。コンタックスといえば写真の世界に 足を入れた方なら誰しも憧れるカールツァイスが使える一眼レフというイメージが強かった。しかし、良いから売れて、支持され、生き残るとは限らないのが世 の中の厳しい部分である。ところで私も相当の写真好きであったが、まったくコンタックスにはあまり興味がなかった。手の届かない世界だったからかもしれな い。高嶺の花という感覚がいまだに残っているけど、それよりもシャッターを切る感覚を掴む、習得することに神経を使っていたのである。それが私にとって良 かったのか悪かったのかは解らないが、結果として堅い描画と言われているニコンで取り揃えてしまった。これすら当時としては安い買い物ではなかったが、弟 が天体写真をやっていたことと、父もニコンを使っていたので、デザイン科で必要に迫られ、母を除き家族の中で一番遅くカメラを買うことになった私は殆ど迷 わなかった。レンズを共有出来るメリットは魅力的だった。いや、もしかしたら描画の味を楽しむ余裕がなかったというべきなのかもしれない。どちらにして も、誰もがカールツアイスが使いたいわけではないのは結果を見れば一目瞭然だ。レンズがどれほど良くても、良い写真はそれだけでは得られない。写真はレン ズだけでなくボディーも含めたトータルバランスで生まれるのである。そこが実はとっても大切な部分だ。我々が平素デジタル納品しているデザインやイラスト も、ハードやソフトの全てに優れたもの買い揃えたからと言って、良い作品が生まれるわけではないからである。本質はもっと別のところに深く眠っているので ある。それに気が付かない方がプロの中にも多いのが現実だったりする。(column: 1792)